不動産一括査定を使ってみようと思っても、「営業電話がしつこそう」「査定額を信じてよいのか分からない」「結局どのサイトを使えばよいのか分からない」……。
そんな不安、ありますよね。
実は筆者もそう考えていたのですが、アップライト合同会社が実施した300人規模の独自アンケートで「意外にもユーザー満足度が高い」という実態がわかってきました。
本当に不動産一括査定をやってみた300人の82.3%の人が「非常によかった」「よかった」と答えたのです。

もちろん「不動産一括査定は誰にでもおすすめできる」とまではいえません。その点、この記事では不動産一括査定のデメリットや注意点も含めて、総合的に解説していきましょう。
また記事後半では、監修者自身が4つの不動産一括査定サイトを利用した体験談も公開し、宅地建物取引士としての実務経験も踏まえた内容としています。
監修・構成:立石秀彦(宅地建物取引士・アップライト合同会社)
本記事は、アップライト合同会社が2024年末〜2025年11月に実施した独自アンケート調査と、記事監修者自身が不動産一括査定サイトを実際に利用した体験をもとに作成しています。アンケートは、実際に不動産一括査定を使ったことがある人300名を対象に実施しました。利用者の評価や後悔点、サイトごとの印象を確認したうえで、失敗しにくい使い方を整理しています。
不動産一括査定をやってみた300人の結論「やっぱり便利だった」

X(旧ツイッター)やYahoo!知恵袋の書き込みでは、不動産一括査定を利用すると「しつこい電話が鳴りやまない」「不正確な査定を出される」といった、ネガティブなレビューが多数派です。
しかし当社(アップライト合同会社)で実施したアンケート調査では、不動産一括査定はネットの書き込みに比べてかなり満足度が高いサービスだとわかりました。

当社が実施した300人規模の独自アンケートでは、全体の82.3%が「非常によかった」または「よかった」と回答したのです。実際に使った人の大多数が、ポジティブに評価しているという点は、ネット上の常識とは違っていました。
「不動産一括査定を使うと、たいていの人が嫌な思いをする」——そういう印象を持っている方もいるかもしれません。しかしこの数字を見る限り、その見方は全体の実態とは少しずれています。もちろん万能のサービスではありませんし、向き不向きもあります。それでも、多くの人にとって「使ってみる価値がある比較手段」だったことがわかりました。
しかし宅建士の立場では注意点もある
ただし、「満足度が高い=何も考えずに使ってよい」という意味ではありません。
査定額の見方には注意点がありますし、サービスごとの違いを押さえておく必要もあります。不動産一括査定サイトは「使うべきかどうか」より「どう使うか」で考えるべきサービスなのです。
たとえば「正確な査定額を知って売却戦略を立てたい」という場合と、「ざっくり価格を知って、売るかどうか判断したい」という場合では、使うべき不動産一括査定サービスが違ってきます。
次章からはこの前提のうえに立って、メリット・仕組み・注意点・サービスの選び方を整理していきます。
独自アンケート調査の概要|この記事の結論は300人調査にもとづいています

本記事は、アップライト合同会社が実施した独自アンケート調査にもとづいて制作しました。
調査は2024年末から2025年11月にかけて行い、合計300名から回答を得ました。前半はCROCOのモニター200名、後半はクラウドワークスのワーカー100名を対象に、オンラインで調査しています。
回答者は、いずれも実際にインターネットから不動産一括査定を利用した経験がある人に絞りました。単なるイメージや伝聞ではなく、実際に使った人の感想や満足度を集計している点が、この調査の特徴です。
なお、不動産一括査定の使い勝手は、物件の種類や所在地、担当する不動産会社によっても変わります。そのため、本記事では独自アンケートで見えた全体傾向に加えて、筆者自身が実際に不動産一括査定を利用した体験もふまえながら、失敗しにくい使い方を整理しています。
なお、今回の調査結果は全体傾向をつかむための参考データです。サンプル数は300名のため、サイトごとの細かな数値差は誤差の範囲と考えたほうが自然でしょう。また、SUUMOのみ複数回答の中から利用者を抽出しているため、他サイトと完全な同条件比較ではなく、参考値として扱っています。
結局どの一括査定サイトがよさそうか|300人調査から見えた結論
今回の300人調査から見ると、まず候補に入れやすいのは SUUMO・イエウール・HOME4U の3つです。
利用者数ベースでは SUUMO とイエウール の存在感が大きく、知名度の高さや比較対象の多さから選ばれていることがうかがえました。一方で、満足度の面では SUUMO・HOME4U・LIFULL HOME’S がほぼ同等の水準で、上位グループと見てよさそうです。
ただし、今回の調査は300名規模であり、細かな順位差は誤差の範囲と考えるべきでしょう。また、SUUMOのみ一部で集計条件が異なるため、厳密な横並び比較ではなく参考値として見てください。
ここでの結論として、「とにかく1社でも多く比較したい」なら イエウール、「大手運営の安心感を重視したい」なら HOME4U、「知名度が高く利用者の多いサービスから始めたい」なら SUUMO を候補にすると考えやすいでしょう。
HOME4Uのアンケート調査結果について、詳しくは以下の記事にまとめました。

不動産一括査定は高く売るツールではない?|利用者が評価した2つのメリット

不動産一括査定のメリットは、「無料で使える」「有名だから安心」といった抽象的な話ではありませんでした。
実際に使った人の評価を見ていくと、よかった点はかなりはっきりしています。
- 複数社を比べやすかった
- 相場感がつかめた
- 対応のよい不動産会社に出会えた
この3つの意見が多く、「高く売れた」という意見は少数派です(ほとんどありませんでした)。
不動産一括査定サービスは実際に利用したユーザーからの評価は高いものの、決して「使えば高く売れる」サービスではないことがわかります。
ごく普通に「複数社を比較することが便利になる」サービスなのです。
複数社を一度に比べる意味
不動産一括査定サービス最大のメリットは、複数の不動産会社をまとめて比較できることです。
当たり前のように思えますが、ちょっと考えてみてください。
1社だけでは「相場が全くわからない」状態です。2社でも「どっちかが高いこと」しかわかりません。
ところが3社になると「平均が取れる」ようになります。平均より安い査定額の会社と、平均より高い査定額の会社に振り分け、判断することができるようになるのです。
「不動産一括査定サイトを利用して、相場をつかめた」という意見が多かったのもうなずけます。
初めての不動産売却で分からないことが多かったのですが、複数の会社からすぐに査定結果が届き価格の相場を比較できたのが大きな助けになりました。40代・イエウール利用
電話が集中してかかってくる時間帯は少し煩わしく感じましたが、複数の会社の査定額を比較できたおかげで、売却価格の相場観を短期間で把握できたのは大きなメリットでした。特に、査定額に大きな開きがあった会社に対して、その理由を質問することで、各社の戦略や得意分野が分かり、最終的に信頼できる会社を選ぶ決め手になりました。40代・イエウール利用
「不動産一括査定は複数の不動産会社に効率よくコンタクトを取るサービス」と考え、不動産会社の査定書と対応を評価すると、判断が下しやすくなります。
つまり、一括査定の良さは「何社にも依頼できること」そのものではなく、比較できる状態を一度に作れることにあるのです。
当社で常に主張しているのは「高すぎる査定に注意してほしい」「査定は金額だけで判断しない」ということ。実際より高い査定額を出して仲介を受託する「撒き餌査定」「高預かり」という手法も存在します。その点にはくれぐれも注意してください。
自分に合う不動産会社を見つけやすい
もうひとつのメリットは、自分に合う不動産会社を見つけやすいことでした。
今回のアンケート結果でも、利用者が満足しているのは、査定額が高かったことではありませんでした。
査定額の高さだけでなく、売却期間や実績など、複数の条件で信頼できる業者を選べたのがよかった。理想論だけを語らず、堅実で現実的な業者を見つけることができた点はよかった。30代・イエウール利用
父の実家を取り壊すか売却するかで悩んでいてSUUMOさんで一括査定してみたら、意外に良い値段で売却出来ると知り結局売却する事に決断出来ました。30代・SUUMO利用
話が通じやすい、説明が分かりやすい、こちらの事情を理解してくれるといった不動産会社の仕事の納得感を評価する人が多い点が印象に残っています。
不動産一括査定の価値は、サイトそのものの優劣だけでは決まりません。自分の物件や事情に合う会社と出会えるかどうかが、満足度を左右するといっても過言ではないでしょう。
不動産一括査定の仕組みを先に知っておくと失敗しにくい

不動産一括査定を使う前に、一点だけ先に押さえておきたいことがあります。それは、一括査定サイトは「査定する会社」ではなく、実際に査定する不動産会社につないでくれる「窓口」だということです。
この点をあいまいにしたまま使うと、査定額を過大評価してしまいがち。
逆に最初に理解しておくと、「なぜ会社ごとに金額が違うのか」「なぜ高い査定額が出てもそのまま信じてはいけないのか」が分かりやすくなります。
一括査定サイトは不動産会社ではない
不動産一括査定サイトが行っているのは、売主の情報を受け取り、提携している不動産会社に転送することです。
つまり、一括査定サイトは比較のスタート地点ではあっても、売却を担当するプレイヤーではありません。
査定額を出し、売却の相談に乗り、実際に売却活動を進めるのは、その先にいる不動産会社です。
したがって「このサイトを使えば高く売れる」といった単純な話ではないのです。
不動産会社を厳しく評価することがポイント
「どの一括査定サイトがよいのか」を気にする人はたくさんいます。
提携会社の数やエリアの広さなど、サイトごとの違いはたしかにあります。ただ、本当に重要なのはサイトのネームバリューよりも、その先にどんな不動産会社が出てくるかです。
同じ一括査定サイトを使っても、地域や物件の種類によって対応してくれる会社は変わります。また、同じくらいの査定額を出してきた会社でも、説明が具体的な会社もあれば、あいまいな会社もあります。
販売戦略まで話してくれる会社もあれば、金額だけを出してくる会社もあります。
こうした違いは、実際に査定書を受け取ってみるまでわかりません。
査定額は「売れる価格」ではなく「入口の提案価格」
また、非常に大事なポイントですが、不動産会社から出てくる査定額はその金額で必ず売れることを保証するものではありません。
「このくらいの価格帯で売却を目指せそうだ」という、現時点での見立てです。
しかも、この見立ては会社ごとに差が出ます。正確な査定を出そうとする会社もあれば、とりあえず高い査定を出して喜ばせようとする会社もあります。
そのため、金額だけを見て判断すると失敗します。
「なぜその価格なのか」「その価格で売れると考える根拠は何か」をあわせて確認することが大切です。
査定額は売却判断の参考材料として有効ですが、あくまで入口の提案であって、最終的な売却価格そのものではありません。
この前提を理解しておくと、次の章で扱う「高すぎる査定額」や「高預かり」の話がぐっと分かりやすくなります。
不動産一括査定をやってみて分かった注意点2つ

不動産一括査定は、ネット上でいわれているほど悪いサービスではありません。実際、多くの利用者が満足していることが、アンケートで裏付けられました。
ただし、注意点を理解しないまま使うと、意外な落とし穴にはまってしまうかもしれません。
注意したい2つのポイント
- 不動産会社ごとの対応の差を冷静に判断すること
- 高すぎる査定額をそのまま信じてしまわないこと
ネット上では「営業電話が多い」という話が目立ちます。たしかに、複数社に同時に査定依頼を出す以上、連絡が来ることは前提です。
しかし実際に売却で失敗しやすい原因は、電話が来ること自体ではありません。そもそも不動産会社がちゃんと仕事をしてくれるなら、営業電話くらい問題ないのです。
営業電話そのものより「対応の差」が問題
一括査定を使うと、複数の不動産会社から査定が届きます。しかもその中身がかなり違います。
丁寧に類似物件を調査し、市場価格を正確に出してくれる会社もあります。一方で、相場の2割増や3割増の査定書を出し、ユーザーを喜ばせて仲介を取ろうとする会社もあります。筆者の経験でも、価格の根拠をきちんと説明する会社もあれば、ショートメールで金額だけ送ってきた会社もありました。
大切なのは「何件連絡が来たか」ではなく、「どの会社の説明が分かりやすかったか」「質問にきちんと答えてくれたか」といった点です。
不動産売却は最終的に人と会社に任せることになりますから、この視点を持っているかどうかで、使い方はかなり変わります。
高い査定額が出てもむやみに信じてはいけない
もうひとつ、より重要な注意点があります。査定額が高い会社が、必ずしもよい会社とは限らない、ということです。
複数社の査定結果を並べると、金額がかなり異なることがあります。「一番高く評価してくれたのだから、この会社がよいのだろう」と思いたくなるのは人情です。しかし、ここに落とし穴があります。
査定額はあくまで「このくらいで売れそうだ」という予測であり、その価格で必ず売れることを保証するものではありません。なかには媒介契約を取りたいがために、実際より高めの金額を提示する会社もあります。これが、いわゆる高預かりと呼ばれる状態です。
高預かりは、売主にとって一見すると魅力的です。しかし実際にはその価格では売れず、あとから値下げを迫られるケースも少なくありません。結果として売却のタイミングを逃し、長く売れ残ってしまいます。
だからこそ、短絡的に「一番高い会社」を選ぶのではなく、なぜその価格になったのかを確認するようにしてください。
査定額が高すぎるときは要注意|不動産一括査定の落とし穴

前章で少し触れた「高預かり」について、もう少し具体的に整理しておきましょう。
不動産一括査定を使うと、会社ごとにかなり異なる査定額が出てくることがあります。すると多くの人は「一番高い査定額を出した会社がよいのではないか」と考えます。少しでも高く売りたいのは自然な気持ちですし、高い金額を提示されれば期待も持ちやすいからです。
ただし、査定額が高いことと、本当に高く売れることは別です。結論から言えば、見るべきなのは査定額の高さそのものではなく、その金額にどんな根拠があるかです。
なぜ高い査定額を出す会社があるのか

不動産会社が高い査定額を出してくる理由は、「その価格で売れる自信があるから」とは限りません。売主に「この会社が一番高く売ってくれそうだ」と思ってもらい、媒介契約を取りたいという事情が働くことがあります。
不動産会社は、査定を出しただけでは売上になりません。売主から仲介を任されて初めて、売却活動が始まります。そのため、他社より目立つために強気の査定額を出す会社が出てきます。これが高預かりの構造です。最初は高い金額を見せて期待を持たせ、媒介契約を結んだあとで「この価格では売れませんでした。少し下げましょう」と修正していくやり方です。
もちろん、高い査定額がすべて高預かりだと言いたいわけではありません。会社によって販売戦略や価格の見方は違うので、ある程度の差が出るのは自然なことです。
ただ、他社より明らかに高い査定額が出たときは、「この会社は特別に優秀なのだ」とすぐ結論づけるのではなく、なぜそこまで高いのかを冷静に確認する必要があります。
高預かりの危険性について、以下の記事でも詳しく解説しています。

重要なのは査定額そのものではなく「根拠」
では、具体的に何を見ればよいのでしょうか。答えは明確で、査定額の根拠です。
信頼できる不動産会社は、単に金額を出して終わり…ではありません。「なぜその価格になるのか」をちゃんと説明します。周辺の成約事例、競合物件の売り出し状況、エリアの需給、建物や土地の条件などを踏まえて話してくれる会社は、少なくとも誠意は見受けられます。
担当者の対応も丁寧で、販売戦略や価格設定なども具体的に提案してもらえたのが良かったです。結果的に希望に近い価格で売却できたので、とても満足しています。30代・LIFULL HOME’S
反対に、金額だけ高くて説明があいまいな会社には注意が必要です。
査定書を受け取ったときも、金額の大きさだけでなく、近隣の成約事例をもとにしているか、販売戦略や想定販売期間が示されているか、といった点を確認したいところです。
査定書は「高い数字を見る紙」ではなく、その会社の考え方を読む資料です。
営業電話はiPhoneの標準機能で防げます
「営業電話が来るのはやはり不安」という人のために、今のスマートフォンで使える対処法を紹介します。
複数社にまとめて査定依頼を出す以上、何らかの連絡が来ること自体は自然です。今回のアンケートでも「全体的にはよかったが、電話対応がめんどうだった」という意見は目立ちました。
ただし、2026年現在、この問題を必要以上に重く考える必要はありません。
iPhoneにはライブ留守番電話があり、PixelにはGoogleの通話スクリーニングがあります。この機能を使えば、出たくない営業電話はほぼ確実に撃退できます。
iPhoneならライブ留守番電話で対応
iPhoneのライブ留守番電話は、相手が留守番電話にメッセージを残している最中に、その内容をリアルタイムで画面にテキスト表示してくれる機能です。
必要だと判断したタイミングで、途中から電話に出ることもできます。設定アプリの電話設定内からオンにできます。
ライブ留守番電話で選別し、知り合いや仕事先などからの着信にだけ出るようにすれば、不必要な営業電話にはでなくてすみます。知らない不動産会社からの電話でも「査定のための確認事項がある」といった内容であれば、その時にでれば問題ありません。
Pixelなら電話スクリーニングはさらに優秀
Google Pixelには、通話スクリーニングという機能があります。
着信時にスクリーニングボタンを押すと、Googleアシスタント(AI)が自動で応答し、用件をリアルタイムでテキスト表示してくれます。電話に出る前に、相手の名前と用件を把握できる仕組みです。
一括査定後の着信は「重要かもしれないが、すべてに即時対応する必要はない」という性質のものが混じっています。
電話スクリーニングでは、出るべき電話と出なくてよい電話を切り分けられるため、かなりストレスを低減できます。
「実は、私も不動産一括査定をやってみました」監修者の体験とは?

ここまで、独自アンケートをもとにメリット・仕組み・注意点を整理してきました。
それに加えて、筆者自身の体験もレポートしておきましょう。筆者は2018年、2021年に、大阪府下と栃木県宇都宮市で、実際に不動産一括査定を試しています。
- 思ったよりしつこい営業はなかった
- 不動産会社による査定の質に大きなバラツキがあった
- どの不動産一括査定サイトにも同じ不動産会社が登録していた
大阪府下の物件は築古マンション1戸。栃木県宇都宮市の物件は二世帯住宅(戸建て)です。どちらも事前にレインズのデータをもとに自分で価格査定を行ったうえで、一括査定の結果と照らし合わせました。
利用したのは、リガイド、リビンマッチ、マンションナビ、イエイ、イエウールです。
やってみて感じた率直な印象
率直に言えば、「思ったよりしつこい営業は少なかったが、査定の質には大きな差があった」というのが実感です。
大阪のマンションの事例では、5つの査定サイトを試して4社から査定を受けました。各社の営業スタイルは比較的あっさりしており、強い押し込みは目立ちませんでした。
それより気になったのは、査定書の中身と説明の丁寧さの差です。一括査定は「営業電話が怖いサービス」というより、当たり外れのある不動産会社を見分ける必要があるサービスだと感じました。
もうひとつ、これはエリアによるとは思うのですが「どの不動産一括査定サイトを利用しても、結局同じ不動産会社にしか査定依頼できない」という点も確認できました。
査定額の比較で見えたこと
査定額については、前章で説明した高預かりの実態を、まさに肌で感じました。
大阪のマンションは筆者の査定では150万円前後が妥当でしたが、実際の一括査定では120万円・150万円・240万円・150万円と、最大で2倍近いばらつきが出ました。査定書のレベルも大きく異なり、17枚にわたる詳細な分析をまとめた会社もあれば、A4用紙1枚の薄い内容や、口頭だけで価格提示をする会社もありました(電話で査定額を伝えてきました)。
栃木県宇都宮市の二世帯住宅でも同様で、筆者の見立ては1,000万円を少し超える程度だったのに対し、2,710万円という極端に高い査定額を出した会社がありました。
一方、積水ハウス系列の準大手不動産会社は、筆者の査定額とほぼ一致していました。
体験から分かったのは、査定額の高さそのものはほとんど信用できないということです。見るべきなのは、価格の根拠、査定書の厚み、説明の具体性、そして会社としての誠実さです。
査定結果の数字や連絡の流れまで詳しく確認したい方は、実際に4つの一括査定サイトを試した体験レビューをご覧ください。

どのサービスを選ぶべきか|タイプ別で整理

不動産一括査定サイトのおすすめを知りたいとき、単純な順位表だけではあまり役に立ちません。「1位だから誰にでも最適」というものではなく、何を重視するかで向いているサービスが変わるからです。

アップライト合同会社が実施した300人規模の独自アンケートを見ると、利用率ではSUUMOとイエウールが大きく、満足度ではSUUMO・HOME4U・LIFULL HOME’Sが高い評価を集めていました。
満足度の内訳は、SUUMO約89%、HOME4U約87%、LIFULL HOME’S約86%、アットホーム約78%、イエウール約70%という並びです。

ここでは、数字の細かい差を気にする必要はないでしょう。
「満足度が高いグループはどこか」という見方が実用的で、その観点ではSUUMO・HOME4U・LIFULL HOME’Sの3サイトが、安心して候補に入れられる主要サービスといえます。
総合的におすすめを1つ挙げるなら、NTTデータグループ会社のHOME4Uが軸になります。
NTTグループ企業だからかもしれませんが、大手・準大手不動産会社が多く提携しており、安心感の面で優れています。ただし「HOME4Uが絶対の1位」と断定するよりも、使う人の目的に合わせて選ぶ方が実態に近いでしょう。以下、タイプ別に整理します。
大手志向で安心感を重視したい人→HOME4U 提携企業の規模や質を重視するなら相性がよく、総合的に外しにくいサービスです。運営元もしっかりした企業ですから、まず最初に試してもいいサービスといえるでしょう。
HOME4U|公式サイト
まず有名どころから試したい人→SUUMO 利用率・満足度ともに上位で、「有名サービスから利用したい」場合におすすめに上がってくるサイトです。
SUUMO|公式サイト
地方も含めて広く比較したい人→イエウール 提携不動産会社数が多く、地場の不動産会社も含めて幅広く紹介してくれるのが強みです。「1社でも多くの査定額を比較したい」という目的に向いています。
イエウール|公式サイト

バランス重視の人→LIFULL HOME’S 利用率・満足度ともに上位グループで、極端な弱点が見えにくいタイプです。
LIFULL HOME’S不動産査定|公式サイト
大手との接点を持ちたい人→一括査定後に三井のリハウス 「査定の根拠を丁寧に説明してほしい」「信頼性の高い相談先を持ちたい」という人は、一括査定で相場観をつかんだあと、三井のリハウスに絞っていく流れが自然です。
三井のリハウス
|公式サイト

不動産一括査定サイト選びで大切なのは、「どこが1位か」を覚えることではなく、自分が何を重視するかを先に決めることです。その視点で主要サービスを選べば、一括査定はかなり使いやすい比較手段になります

まとめ|不動産一括査定は使い方しだい

この記事で伝えてきたことを、最後に整理します。
アップライト合同会社の300人調査では、全体の82.3%がポジティブな評価を下しており、不動産一括査定は多くの人にとって使う価値のある比較手段です。「怖いサービス」という印象と違い、ユーザーの声はポジティブでした。
また営業電話について、過度に心配する必要はないでしょう。iPhoneのライブ留守番電話やPixelの通話スクリーニングを使えば、実務上はかなりの部分で対処できます。
ただし、注意点もあります。
まず、高すぎる査定額には注意が必要です。査定額の高さそのものは誰も保証してくれません。それよりも、価格の根拠と説明の誠実さを見るようにしてください。サイト選びより、最終的には不動産会社選びが重要であり、一括査定はその絞り込みの入口として使うのが正解です。
もし「どのサイトがいいの?」と迷ったら、まずは「提携不動産会社数が多く、比較しやすいサービス」から試してみてはどうでしょう。比較できる状態を作ることが、確実な売却判断の第一歩です。
提携不動産会社数が多いサービス
イエウール|公式サイト
SUUMO|公式サイト
この記事の監修・構成
立石秀彦(宅地建物取引士)
アップライト合同会社代表。不動産実務と不動産SEOの経験をもとに、本サイトではテーマ設計、検索意図の整理、見出し構成の作成、内容確認を担当しています。記事制作にはAIを活用していますが、公開前に監修者が全体構成を確認し、論点の過不足や表現の妥当性をチェックしています。

