【完全版】マンション売却の手順7ステップ|流れと準備リスト

マンション売却は、準備から成約まで一般的に3か月から6か月かかり、大きく7つのステップで進んでいきます。

この記事では、売却の流れと各ステップでやるべきことを解説しますが、特に重要なのは査定額の根拠を見極めることと、媒介契約後にレインズの登録状況をご自身で確認することです。

この記事を最後まで読めば、売却の全体像を掴めるだけでなく、不動産会社へ相談する前に何を準備すべきかが明確になります。

監修者プロフィール:立石秀彦(アップライト合同会社)。宅地建物取引士。沖縄県で不動産会社を約10年間経営・売却後、複数の不動産メディアを運営。不動産会社の立場・ユーザーの立場、双方で一括査定サービスを実際に利用した経験を持ちます。

目次

マンション売却の手順は大きく7ステップ

マンションの売却は、住宅ローン残債の確認から始まり、売却後の確定申告まで続きます。

しかし、単に一連の流れを追うだけでは、納得のいく売却は難しいでしょう。

特に、査定額の高さだけで不動産会社を選ばないこと、そして媒介契約後にレインズの登録状況をご自身で確認することが、失敗を避ける上で極めて重要になります。

まずは、売却の全体像と大まかな期間を把握し、査定を依頼する前に何をすべきかを確認していきましょう。

売却の全体像と流れ

マンション売却は、準備から引き渡しまで、いくつかのステップに分かれています。

それぞれの段階でやるべきことを理解しておくことが、スムーズな売却活動の第一歩です。

売却の主な流れは、以下の7つのステップで進んでいきます。

これらの各ステップで何をすべきかを知ることで、落ち着いて売却活動を進めることが可能となります。

売却完了までの期間の目安

売却期間は、物件の条件や市況、販売戦略によって大きく変動します。信頼性の高いレインズや東京カンテイの統計データもばらつきがあります。

そのため、あくまで一般的な目安として捉えることが大切です。

多くの場合、不動産会社への相談を開始してから、物件の引き渡しが完了するまでにおおよそ4か月から6か月程度かかります。

売却活動の内容期間の目安
不動産会社選びと査定1週間~1ヶ月
媒介契約~成約3~5ヶ月
決済・引き渡し2週間~1ヶ月
合計6~7ヶ月以上

希望の時期までに売却を完了させるためには、余裕を持ったスケジュールを立て、計画的に準備を進めることが成功の鍵を握ります。

なお、マンションの売却にかかる期間をより詳しく解説した記事もあります。

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査定依頼前の状況整理

マンション売却を考え始めたとき、最初にやることは不動産会社への査定依頼ではなく、当該マンションの状況を整理することです。

これが、後の不動産会社選びや販売戦略の決定に大きく影響します。

そこでまず、査定を依頼する前に最低限以下の項目を整理しておきましょう。

これらの情報を整理しておくことで、不動産会社からの提案を的確に判断できるようになり、より有利な条件で売却を進める土台ができます。

STEP1|住宅ローン残債と売却目的を確認する

マンションの売却を考え始めたとき、多くの方がまず不動産会社への査定依頼を思い浮かべます。

しかし、その前にご自身の状況を整理しておくことが、売却を成功させるための重要な第一歩です。

特に、住宅ローンの残高と売却の目的を明確にすることから始めましょう。

このステップでご自身の状況を整理することで、不動産会社との相談がスムーズに進み、より現実的な売却計画を立てられます。

住宅ローン残債の確認

まず、住宅ローンが現在いくら残っているかを確認します。

なぜなら、売却価格がローン残高を下回る「オーバーローン」の状態だと、自己資金で不足分を補う必要があるからです。

ローンの残高は、金融機関から毎年送られてくる「償還予定表(返済予定表)」や、ご利用の金融機関のインターネットバンキングのWebサイトで確認できます。

書類が見当たらない場合は、金融機関に直接問い合わせると教えてくれます。

ご自身のローン残債を正確に把握することは、売却後の手取り額を計算し、次の資金計画を立てるための大切なスタートになります。

売却代金によるローン完済

マンションを売却するためには、原則として売却代金で住宅ローンをすべて完済し、物件に設定されている「抵当権(ていとうけん)」という担保権を抹消する必要があります。

抵当権とは、ローン返済が滞った場合に金融機関がその不動産を競売にかけることができる権利のことです。

買主から売買代金を受け取る「決済・引き渡し」の日に、そのお金で金融機関へローンを一括返済します。

その際、司法書士が買主への所有権移転登記と同時に抵当権の抹消登記手続きを行うのが一般的な流れです。

売却価格がローン残高を上回れば問題ありません。

しかし、下回る場合は自己資金で不足分を用意する必要があるため、事前に資金計画を立てておきましょう。

なお、住宅ローン完済後の抵当権抹消登記は自分でできる場合もあります。以下の記事で詳しく解説しました。

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売却理由と希望時期の整理

次に、なぜ売却するのか、そしていつまでに売りたいのかを整理します。

これは、売却活動の価格設定や販売戦略を決める上で、非常に重要な判断材料になるからです。

例えば、「子供の進学に合わせて3か月後までに売却したい」といった具体的な期限がある場合と、「良い条件なら売りたい」という場合では、売り出し価格の設定や広告の出し方が変わってきます。

住み替え、相続、転勤など、ご自身の売却理由と希望時期を書き出してみることをお勧めします。

これらの情報を事前に整理しておくことで、不動産会社へ相談した際に、ご自身の状況に合った的確なアドバイスを受けやすくなります。

STEP2|マンションの相場を調べる

不動産会社に査定を依頼する前に、ご自身で売却したいマンションの相場感を把握しておくことが大切です。

事前に相場を知ることで、不動産会社が提示する査定額が妥当かどうかを客観的に判断する基準を持てます。

東京23区内のマンションであれば、以下のページで匿名・無料ですぐに相場価格を把握できます。

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近隣の売出価格を確認

まずは、SUUMOやLIFULL HOME’Sといった不動産ポータルサイトで、ご自身のマンションや近隣の類似物件がいくらで売りに出されているか(売出価格)を確認します。

その際、最低でも同じマンション内、同じ町丁目、最寄り駅が同じ物件を3〜5件ほど見比べて、広さや間取り、階数、方角といった条件が近い物件の価格を参考にすると良いでしょう。

ご自身のマンションと似た条件の物件が、現在いくらで売り出されているかを確認することから始めましょう。

成約価格と売出価格の違い

次に知っておきたいのは、売出価格はあくまで「売主の希望価格」であり、実際に売買が成立した「成約価格」とは異なるという点です。

多くの場合、購入希望者との価格交渉を経て、売出価格から少し下がった金額で成約します。

実際に取引された成約価格は、国土交通省が運営する「不動産取引価格情報検索」や、不動産流通機構が運営する「レインズ・マーケット・インフォメーション」で確認できます。

また、以下の記事では売出価格と成約価格の「差」である価格乖離率について、詳しく解説しています。

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売出価格だけでなく、実際に売れた成約価格も見ることで、より現実的な相場観を養えます。

相場を知らないことのリスク

もし相場を知らないまま不動産会社の査定を受けると、2つの大きなリスクが生じます。

それは、「①相場より安く売ってしまい損をするリスク」と「②高すぎる価格設定で売れ残るリスク」です。

相場を知らなければ、提示された査定額が妥当なのか判断できません。

もし不動産会社が自社で早く売りたいがために相場より安い査定額を提示した場合、それに気づかずに安売りしてしまう恐れがあります。

逆に、媒介契約を取りたいがために根拠のない高い査定額を提示する会社を選んでしまうと、いざ売り出しても全く反響がなく、結果的に大幅な値下げを繰り返して売却期間が長引くことになりかねません。

事前に相場を知ることは、大切な資産を守り、スムーズな売却を実現するための第一歩です。

STEP3|不動産会社に査定を依頼する

マンション売却の成功は、信頼できる不動産会社選びにかかっているといっても過言ではありません。

査定を依頼する際は、1社の査定額だけで安易に判断しないことが最も重要になります。

査定は価格を知るためだけでなく、不動産会社の力量や姿勢を見極めるための大切な機会です。

複数の不動産会社から提案を受けることで、ご自身のマンションの価値を多角的に把握できます。

納得のいく売却を実現するために、冷静に各社の提案を比較検討しましょう。

複数社への査定依頼

マンション査定は複数社に依頼するほうが有利だといわれます。1社の意見だけでは、その査定額が市場の実態と合っているか判断できないためです。

複数社から査定を受けることで、価格の妥当性だけでなく、各社の販売方針や担当者との相性も比較できます。

ただし、一括査定サイトは効率的ですが、不動産会社間の競争が激しすぎて「とりあえず高めの査定を出してくる」傾向があると指摘されています。

時間に余裕があるなら、自分で地域の評判を調べて個別に依頼する方法も良い選択肢です。

そこで都市部であれば、まず正確な価格査定に定評がある三井のリハウス(三井不動産リアルティ)に査定を依頼するのがおすすめです。

三井のリハウス |公式サイト

三井のリハウスの査定をひとつとっておき、まずは査定額の「基準」にします。その後必要があれば不動産一括査定サイトを利用して、複数社に相談するのが効率的です。

不動産一括査定については、以下の記事で詳しく分析しています。

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高い査定額は売却価格とイコールではない

不動産会社から提示される査定額とは「この価格で売り出せば3か月程度で売却できると予想される価格」のことであり、その価格での売却を保証するものではありません。

特に、相場からかけ離れた高い査定額には注意が必要です。

高い査定額に心を惹かれる気持ちはわかりますが、なかには媒介契約を結ぶことを目的に、売却が難しいとわかっていながら高値の査定を提示する会社も存在します。

契約後に売却活動がうまくいかないことを理由に、大幅な値下げを提案されるケースも少なくありません。

査定額の数字に一喜一憂するのではなく、その金額が現実的かどうかを見極める冷静な視点が大切です。

金額の高さよりも、その根拠に納得できるかを重視しましょう。

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査定根拠と販売戦略の比較

最終的に不動産会社を選ぶうえで最も重要なのは、「なぜその査定額になったのか」という査定根拠と、「どのようにして売却活動を進めるのか」という販売戦略です。

この2点をしっかり比較することで、本当に信頼できるパートナーが見つかります。

査定報告書を受け取ったら、直近3か月から6か月以内の成約事例がいくつ含まれているか、ご自身のマンションの長所や短所がどう評価されているかを確認してください。

販売戦略については、SUUMOやHOME’Sといったポータルサイトへの掲載方針、写真の撮り方、購入希望者へのアピール方法などを質問すると、会社の熱意や工夫が見えてきます。

査定額だけでなく、売却したいマンションを託すパートナーとして信頼できる会社を選ぶことが、満足のいく売却への一番の近道です。

コミュニケーションを取りながら、一緒に売却活動を進めていける会社を選びましょう。

STEP4|媒介契約を結ぶ

査定内容に納得できる不動産会社を見つけたら、いよいよ売却活動を依頼するための媒介契約を結びます。

媒介契約には3つの種類があり、どの契約を選ぶかによって売却活動の自由度や不動産会社の義務が変わります。

それぞれの特徴を理解し、ご自身の状況に合った契約形態を選ぶことが重要です。

3つの契約形態には、それぞれメリットと注意点があります。

一つの正解があるわけではなく、売主の考え方や物件の状況によって最適な選択は異なります。

一般媒介契約の特徴

一般媒介契約とは、複数の不動産会社に同時に売却を依頼できる契約形態です。

ご自身で買主を見つける自己発見取引も認められており、最も自由度の高い契約といえます。

複数の会社が販売活動を行うため、買主の目に触れる機会が増える可能性があります。

一方で、不動産会社にはレインズへの登録義務や定期的な活動報告義務が法律で定められていません。

そのため、売主様ご自身が各社と連絡を取り、進捗を管理する必要があります。

熱心に販売活動をしてくれる会社とそうでない会社の差が出やすいのも特徴です。

自分で積極的に不動産会社と関わりながら、広く買主を探したいという方に向いている契約です。

専任媒介契約の特徴

専任媒介契約とは、売却を依頼する不動産会社を1社に絞る契約形態です。

窓口が一つになるため、売主様の手間が大きく減ります。

この契約では、不動産会社は契約締結の翌日から7日以内(休業日を除く)に物件情報をレインズ(指定流通機構)へ登録する義務があります。

さらに、2週間に1回以上の頻度で売主へ販売活動の状況を報告する義務も課せられています。

ご自身で買主を見つける自己発見取引も可能です。

1社の不動産会社とじっくり向き合い、定期的な報告を受けながら売却活動を進めたい方におすすめです。

専属専任媒介契約の特徴

専属専任媒介契約とは、専任媒介契約よりもさらに制限が強く、依頼できる不動産会社が1社に限定される契約形態です。

専任媒介契約との大きな違いは、自己発見取引が認められない点です。

親族や知人など、ご自身で見つけた相手であっても、必ず依頼した不動産会社を通して取引しなくてはなりません。

その分、不動産会社の義務は最も重く、レインズへの登録は契約締結の翌日から5日以内(休業日を除く)、活動報告は1週間に1回以上と定められています。

売却活動の全てを信頼できる1社に任せ、最も手厚いサポートを受けたいという方に適しています。

契約形態の選び方

3つの媒介契約に絶対的な優劣はありません。

自分自身の状況や売却方針に最も合うものを選ぶのがセオリーです。

例えば、物件が人気エリアにあり、多くの買い手が見込めそうな場合は、複数社に依頼できる一般媒介契約で競争を促すのも一つの手です。

一方で、不動産会社とのやり取りに時間を割けない方や、1社と信頼関係を築きながら進めたい方は、専任媒介契約や専属専任媒介契約が向いています。

最終的には、査定を依頼した不動産会社の担当者から各契約のメリット・デメリットについて改めて説明を受け、納得したうえで契約を結びましょう。

少しでも疑問があれば、署名・捺印する前に必ず質問してください。

STEP5|レインズ登録証明書を確認する

専任媒介契約や専属専任媒介契約を結んだら、不動産会社から交付される「レインズ登録証明書」を必ずご自身の目で確認してください。

この書類は、ご自身の物件がどのように市場へ公開されているかを確かめるための大切な手掛かりとなります。

受け取って保管するだけでなく、内容をしっかりチェックする習慣をつけましょう。

不動産流通機構レインズ

レインズ(REINS)とは、国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営する、不動産会社専用の物件情報ネットワークシステムのことです。

全国の不動産会社が加盟しており、物件情報を共有することで、買主を素早く見つけるために利用されています。

売主様が直接見ることはできませんが、売却活動の基盤となる重要な仕組みです。

このシステムに物件が登録されると、依頼を受けた不動産会社だけでなく、他の不動産会社も買主様へ紹介できるようになり、売却の機会が大きく広がります。

専任媒介等の登録義務

専任媒介契約と専属専任媒介契約には、レインズへの物件登録が法律で義務付けられています。

登録期限は契約形態によって異なり、専任媒介契約では休業日を除き7日以内、専属専任媒介契約では休業日を除き5日以内です。

一般媒介契約には法律上の登録義務はありません。

不動産会社は物件をレインズに登録した後、その証明として「登録証明書」を発行し、売主様へ渡すことになっています。

この証明書は、契約通りに物件が市場に公開されたことを示す公的な書類です。

登録証明書の内容を確認

登録証明書は、契約内容通りに物件情報が登録されているかを確認するためのものです。

2025年1月からは、スマートフォンで手軽に確認できる二次元コードも追加され、よりアクセスしやすくなりました。

証明書に記載されたIDとパスワードを使って専用サイトにログインし、登録内容に誤りがないか確かめてください。

特に以下の項目は、重点的に確認しましょう。

取引状況ステータスの確認

レインズでは、物件の取引状況が3つのステータスで管理されています。

「公開中」「書面による購入申込みあり」「売主都合で一時紹介停止中」の3種類です。

売却活動が始まった直後は、ステータスが「公開中」になっていることを必ず確認してください。

ご自身の知らないうちに「書面による購入申込みあり」などの表示になっている場合、他の不動産会社からの紹介が止まってしまう恐れがあります。

もし表示内容にご自身の認識と違う点があれば、まずは依頼している不動産会社へ速やかに状況を確認しましょう。

STEP6|売却活動と内覧対応を進める

媒介契約を締結すると、いよいよマンションの販売活動が始まります。

このステップでは、不動産会社に任せきりにするのではなく、売主様自身が活動状況を主体的に確認することが重要です。

不動産会社と二人三脚で進める意識を持つことが、売却成功のカギとなります。

これらのポイントを定期的に確認し、不動産会社と密に連携することで、スムーズな売却につながります。

販売活動で重要なこと

マンションの販売活動は、購入希望者の第一印象を左右する広告がカギを握ります。

多くの場合、SUUMOやLIFULL HOME’Sといった不動産ポータルサイトや、不動産会社の自社ウェブサイトに物件情報が掲載されます。

特に、掲載される写真の質や枚数は、問い合わせ数に直接影響を与えます。

プロのカメラマンが撮影した明るく広々とした写真は、物件の魅力を最大限に引き出します。

最低でも15枚以上の写真を用意し、リビング、キッチン、眺望、共用施設など、アピールポイントをしっかり見せることが大切です。

この枚数には驚くかもしれません。

物件の魅力が伝わるように、不動産会社と広告の掲載内容をしっかり打ち合わせましょう。

内覧前に整えるポイント

内覧(ないらん)とは、購入を検討している人が実際に物件を見学することです。

資料だけでは伝わらない部屋の雰囲気や日当たり、眺望などを体感してもらう、購入の意思決定に大きな影響を与える大切な機会になります。

内覧の日時が決まったら、最低でも水回り(キッチン、浴室、トイレ)の清掃と玄関の整理は済ませておきましょう。

室内の照明をすべて点灯させ、窓を開けて換気するだけでも、お部屋の印象は大きく変わります。

案内に立ち会う場合は、購入希望者が質問しやすい雰囲気を作ることも大切です。

居住中の場合は、生活感をすべて隠す必要はありません。

清潔感を意識することが好印象につながります。

問い合わせ数と内覧数

販売開始後の問い合わせ数や内覧数は、設定した売出価格が市場の需要と合っているか判断するための重要な指標です。

これらの数字は、売却活動の成果を客観的に示してくれます。

一般的に、販売開始から1ヶ月で5件から10件程度の内覧が入ることが一つの目安ですが、これは物件の立地や価格帯によって変動します。

もし、販売開始から2週間以上経っても問い合わせが全くない場合は、価格設定や広告戦略の見直しが必要かもしれません。

不動産会社からの報告を待つだけでなく、こちらから積極的に状況を確認し、次の対策を一緒に考える姿勢が重要です。

不動産会社からの活動報告

活動報告は、不動産会社が売主様に対して販売活動の状況を報告することを指します。

特に専任媒介契約や専属専任媒介契約では、宅地建物取引業法で報告頻度が定められています。

専属専任媒介契約では1週間に1回以上、専任媒介契約では2週間に1回以上の報告義務があります。

報告内容では、問い合わせ件数、広告を掲載した媒体、内覧者の具体的な反応、そしてレインズの取引状況ステータスなどを確認しましょう。

これらの詳細な報告は、今後の販売戦略を立てる上で欠かせません。

報告内容に疑問があれば遠慮なく質問し、今後の販売方針について不動産会社と共通認識を持つことが大切です。

STEP7|購入申込み・価格交渉・売買契約に進む

購入希望者が見つかったら、交渉と契約の段階に入ります。

ここでの判断が、最終的な手取り額や引き渡しまでのスムーズさに直結するため、一つひとつの書類や条件を丁寧に確認していきましょう。

購入申込書の内容確認

購入申込書(買付証明書)とは、購入希望者が「この条件で購入したい」という意思を示すための書類です。

売却するかどうかを判断するための、最初の土台となるので、記載内容をしっかり確認します。

一般的に、購入申込書には以下の項目が記載されています。

この内容を見て、売却の交渉を進めるか判断しましょう。

購入申込書を受け取った時点では、まだ売主にも買主にも法的な契約義務は発生しません。

内容に合意できれば、売買契約の準備に進みます。

価格交渉と手取り額

購入希望者から、売り出し価格よりも低い金額で申し込みが入ることは珍しくありません。

価格交渉に応じるかどうかは、最終的な手取り額がいくらになるかで判断することが大切です。

売却価格から仲介手数料や税金などの諸費用を引いた金額が、実際に手元に残るお金です。

例えば、100万円の値引きに応じても、早く売却できることで得られるメリットがあるかもしれません。

不動産会社の担当者と相談しながら、売却価格だけでなく、諸費用を差し引いた手取り額で冷静に判断しましょう。

売買契約の重要項目

購入希望者との条件交渉がまとまったら、正式な売買契約を結びます。

売買契約は一度締結すると法的な拘束力が生じる、とても重要な手続きです。

契約当日は、宅地建物取引士から「重要事項説明」を受けた後、売買契約書の内容を確認して署名・捺印します。

特に以下の項目は、後々のトラブルを防ぐためにも、意味を正確に理解しておく必要があります。

事前に契約書の案文をもらい、不明な点はすべて解消してから契約に臨むことが、安心して取引を進めるための鍵です。

契約不適合責任の確認

売買契約で特に注意したいのが、契約不適合責任です。

これは、引き渡した物件が、契約内容に適合しない状態だった場合に、売主が買主に対して負う責任のことを指します。

例えば、「雨漏りはない」と契約書に記載したにもかかわらず、引き渡し後に雨漏りが発覚した場合などが該当します。

このとき買主は、売主に対して修理の請求(追完請求)や、代金の減額などを求めることができます。

この責任を負う期間は、引き渡しから3ヶ月間など、当事者間の合意によって定めるのが一般的です。

ご自身のマンションの状態について、知っている欠陥や不具合は隠さずに告知することが、契約後のトラブルを未然に防ぐ最も確実な方法といえます。

STEP8|決済・引き渡しを行う

売買契約から約1か月後、いよいよ最終ステップである決済と引き渡しです。

マンション売却において最も重要なのは、売買代金の受領と物件の所有権移転を同日に行うことです。

手続きは複雑に感じられますが、司法書士や不動産会社の担当者が同席し、段取り良く進めてくれるのでご安心ください。

決済と引き渡しは、平日の午前中に金融機関の応接室などで行われるのが一般的です。

売主、買主、不動産会社の担当者、司法書士が一堂に会し、1〜2時間程度ですべての手続きを完了させます。

残代金の受領と所有権移転

所有権移転登記とは、マンションの所有名義を売主から買主へ変更し、法務局の登記簿に記録する手続きです。

これは売主と買主が自分たちで行うのではなく、国家資格者である司法書士に依頼します。

手続き当日は、まず司法書士が登記に必要な書類がすべて揃っているかを確認します。

書類に不備がないことを確認した後、買主が売主の銀行口座へ売買代金の残額(売買価格から手付金を引いた金額)を振り込みます。

着金が確認できたら、その日のうちに司法書士が法務局で所有権移転の登記申請を行います。

これで、法的に所有権が買主へ移ります。

これらの書類は事前に不動産会社から案内がありますので、忘れずに準備しておきましょう。

住宅ローンの抵当権抹消

売却するマンションに住宅ローンが残っている場合、抵当権抹消登記(ていとうけんまっしょうとうき)が必要です。

抵当権とは、ローン返済が滞った場合に金融機関がその不動産を差し押さえる権利のことで、この記録を登記簿から消す手続きを指します。

決済日当日に、買主から受け取った売買代金で住宅ローン残債を一括返済します。

返済が完了すると、金融機関から抵当権抹消に必要な書類が交付されます。

その後、所有権移転登記と同時に司法書士が抵当権抹消の登記申請を行います。

この手続きも司法書士に一任できるため、売主様が金融機関と複雑なやり取りをする必要はありません。

ローンの完済と抵当権の抹消が完了して初めて、買主へ完全な所有権を渡せます。

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鍵や関係書類の引き継ぎ

残代金の受領が確認できたら、物件の引き継ぎを行います。

最も大切なのがマンションの鍵で、玄関の鍵はもちろん、スペアキーや宅配ボックスのカードキーなども含めてすべてを買主へ渡します。

鍵以外にも、マンションに関する大切な書類一式を引き継ぎます。

事前にファイルなどにまとめておくと、当日スムーズに渡せます。

最後に、不動産会社へ仲介手数料の残額を支払い、領収書を受け取ります。

これで売主として行うべき手続きはすべて完了です。

お疲れ様でした。

STEP9|売却後に確定申告が必要か確認する

マンションの売却手続きが完了した後も、大切な作業が残っています。

それは税金の確認と、必要に応じた確定申告です。

特に、売却によって利益(譲渡所得)が出た場合は、原則として確定申告を行い、譲渡所得税を納める必要があります。

売却益が出なかった場合でも、税金の特例を利用するために確定申告が必要なケースもありますので、自分は該当するかしっかり確認しましょう。

なお、不動産売却と税金(確定申告)については、以下の記事で詳しく解説しています。

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譲渡所得税の確認

譲渡所得税とは、マンションなどの不動産を売却して得た利益(譲渡所得)に対して課される税金です。

この譲渡所得は、以下の計算式で算出します。

譲渡所得 = 売却価格 – (取得費 + 譲渡費用)

取得費は物件の購入代金や仲介手数料など、譲渡費用は売却時の仲介手数料や印紙税などを指します。

もし購入時の契約書が見つからず取得費が不明な場合は、売却価格の5%を概算取得費として計算することも可能です。

この計算で譲渡所得がプラスになる場合、税金がかかる可能性があります。

まずはご自身の状況で譲渡所得が発生するかどうか、一度計算してみることが重要です。

居住用財産の3,000万円特別控除

ご自身が住んでいたマンションを売却する場合、税金の負担を大きく軽減できる制度があります。

それが「居住用財産の3,000万円特別控除」です。

この特例は、譲渡所得から最高3,000万円までを控除できるというものです。

この控除を利用すると、譲渡所得が3,000万円以下であれば、譲渡所得税はかからなくなります。

多くの方がこの特例によって納税が不要になるため、ご自身が適用要件を満たすか必ず確認しましょう。

この特例を利用するためには、たとえ税金が0円になる場合でも確定申告が必要です。

適用要件の詳細は国税庁のホームページで確認するか、専門家へ相談してください。

税務署や税理士への相談

税金の計算や特例の適用は、専門的な知識が必要で複雑です。

少しでも不安がある場合は、自己判断で済ませずに専門家へ相談することを強くお勧めします。

主な相談先は、お住まいの地域を管轄する税務署や税理士です。

税務署では無料で相談に乗ってもらえますが、あくまで一般的な回答の範囲となります。

一方で税理士に依頼すると費用はかかりますが、個別の状況に合わせた具体的なアドバイスから、確定申告書の作成代行まで依頼することが可能です。

売却後の手続きでつまずかないためにも、信頼できる専門家の力を借りて、正確な申告と納税を行いましょう。

マンション売却で失敗しないための注意点

マンション売却を成功させるためには、流れを理解するだけでなく、いくつかの重要なポイントを押さえる必要があります。

特に、査定額の高さだけで安易に不動産会社を決めないことが、後悔しないための第一歩です。

これから紹介する5つの注意点を意識するだけで、売却活動を有利に進められます。

査定額の高さだけで選ばない

査定額とは、不動産会社が「この価格で売れるだろう」と予測する売出価格の提案であり、その価格での買取を保証するものではありません。

相場からかけ離れた高い査定額を提示して媒介契約を結び、後から「反響がないので値下げしましょう」と提案してくるケースも存在します。

大切なのは、提示された査定額の根拠です。

「過去3ヶ月以内の近隣での成約事例」や「現在の市場動向」など、納得できる説明があるかを確認しましょう。

査定額の数字だけを比較するのではなく、なぜその価格が算出されたのか、その根拠と具体的な販売戦略を合わせて判断することが重要です。

媒介契約の適切な選択

媒介契約とは、マンション売却を不動産会社へ正式に依頼するために結ぶ重要な契約を指します。

契約には「一般媒介」「専任媒介」「専属専任媒介」の3種類があり、それぞれ特徴が異なります。

例えば、不動産会社からの活動報告は、専属専任媒介契約なら1週間に1回以上、専任媒介契約なら2週間に1回以上と義務付けられていますが、一般媒介契約には法律上の報告義務がありません。

どの契約形態が最適かは、ご自身の状況によって変わります。

複数社とやり取りしたいのか、窓口を一本化して密な報告を受けたいのかなど、ご自身の希望に合った契約を選ぶことが大切です。

レインズ登録の自主確認

レインズとは、不動産会社が物件情報を共有するために利用する、専門の物件情報ネットワークシステムのことです。

専任媒介契約や専属専任媒介契約を結ぶと、不動産会社は物件情報をレインズに登録する義務があり、その際に「登録証明書」が発行されます。

この証明書には、2025年1月以降、スマートフォンで簡単に確認できる二次元コードが追加され、売主自身が登録内容をチェックしやすくなりました。

登録証明書を受け取ったら、記載された情報が正しいか、物件の状況が「公開中」になっているかを必ずご自身の目で確認してください。

この一手間が、意図しない販売機会の損失を防ぐことにつながります。

販売活動を任せきりにしない

媒介契約を結んだ後、売却活動のすべてを不動産会社に任せきりにするのではなく、売主として主体的に関わる姿勢が成功の鍵を握ります。

不動産会社からの定期的な活動報告にきちんと目を通し、「先週のホームページ閲覧数は何件だったか」「問い合わせや内覧の希望はあったか」などを確認しましょう。

もし反響が想定より少ない場合は、価格設定や広告写真、販売戦略について担当者と積極的に話し合うことが必要です。

不動産会社はあくまで売却のパートナーです。

二人三脚で売却を成功させるという意識を持つことで、より良い結果が期待できます。

公的な相談窓口の活用

不動産会社とのやり取りで不安や疑問を感じた際に、一人で抱え込む必要はありません。

中立的な立場で相談できる公的な相談窓口が存在します。

万が一、担当者の説明に納得がいかなかったり、契約内容でトラブルになったりした場合は、都道府県の宅建業指導担当部署や、各地の宅地建物取引業協会などが相談先となります。

これらの窓口は、不動産取引における消費者を保護するために設置されています。

不安な点があれば、専門家の意見を求めることも検討しましょう。

よくある質問(FAQ)

一括査定サイトを利用すると電話が多くかかってきそうで不安です。どうすればよいですか?

一括査定サイトを利用した後は、確かに電話がかかってきます。複数の不動産会社から一斉に連絡が来ると、対応が大変だと感じる方気持ちもわかります。

対策として、サイトの備考欄に「連絡はメールを希望」と記載する方法があります。

すべての会社が応じてくれるわけではありませんが、電話の数を減らす効果は期待できます。

ただし、本当にマンションを売る気がある場合は、営業電話に対応することで、各社の姿勢や査定額の根拠を知る良い機会となります。

最初の対応で信頼できそうか見極めるという視点で臨むと、前向きに情報収集を進められます。

マンション売却には、仲介手数料以外にどのような費用がかかりますか?

マンション売却では、仲介手数料の他にも何種類かの費用が必要です。

主に以下のようなものが挙げられます。

  • 印紙税:売買契約書に貼る印紙の代金です。売買価格によって金額が変わります。
  • 登記費用:住宅ローンが残っている場合の抵当権抹消(ていとうけんまっしょう)登記や、住所変更登記が必要な場合にかかる登録免許税と司法書士への報酬です。
  • その他:ハウスクリーニング代や、測量が必要な場合の費用など、状況に応じて発生するものがあります。

これらの費用を合計すると、一般的に売却価格の3%〜4%程度が目安となります。

専任媒介契約にすると「囲い込み」をされるリスクがあると聞きました。どうすれば防げますか?

「囲い込み」とは、売却を依頼された不動産会社が物件情報を他社に公開せず、自社だけで買主を見つけようとする行為です。

これを防ぐ最も有効な対策は、売主ご自身がレインズ(不動産会社専門の物件情報システム)の登録状況を確認することです。

専任媒介契約や専属専任媒介契約ではレインズへの登録が義務付けられており、不動産会社から「登録証明書」が交付されます。

この証明書を使って、ご自身の物件がきちんと「公開中」になっているか定期的にチェックする流れを習慣にしましょう。

居住中に売却活動をする場合、内覧のたびに家を完璧に片付ける必要はありますか?

居住しながらの販売活動は、準備が大変ですよね。

内覧のたびにモデルルームのように完璧にする必要はありませんので、ご安心ください。

購入希望者が見ているのは、主に清潔感と空間の広さです。

特に「玄関」「水回り(キッチン・浴室・トイレ)」「リビング」の3点を中心に、整理整頓と清掃を心がけるだけで印象は大きく向上します。

また、内覧当日は室内の照明をすべて点灯させ、窓を開けて換気しておくと、部屋が明るく開放的に見えます。

生活感を完全に消すよりも、大切に住まわれている雰囲気を伝えることが好印象につながります。

売却して利益が出なかった場合でも、確定申告は必要ですか?

マンションを売却して利益(譲渡所得)が出なかった場合、原則として譲渡所得税はかからないため、確定申告の義務はありません。

ただし、売却によって損失が出た場合、「譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」という制度を利用できる可能性があります。

これは、売却による損失をその年の他の所得(給与所得など)と相殺したり、翌年以降3年間にわたって繰り越したりできる制度で、結果的に所得税や住民税が還付されることがあります。

この特例を受けるためには、確定申告を行う必要があります。

マンションを売却するか、賃貸に出すかで迷っています。どちらが良いのでしょうか?

売却と賃貸、どちらにもメリットと注意点があるため、ご自身のライフプランに合った選択をすることが重要です。

判断の基準として、以下の点を整理してみることをお勧めします。

  • 住宅ローンの残債:ローンが残っている場合、賃貸の家賃収入で返済を賄えるか確認が必要です。
  • 将来住む可能性:将来的にそのマンションに戻る可能性があるなら、賃貸が選択肢になります。
  • 資産としての考え方:安定した家賃収入を得たいなら賃貸、まとまった資金を確保したいなら売却が向いています。

ご自身で判断に迷う場合は、売却査定と同時に賃料査定も依頼できる不動産会社などの相談窓口に問い合わせ、客観的なアドバイスを求めるのも一つの方法です。

まとめ

この記事では、マンション売却の準備から確定申告までの流れを7つのステップで解説しました。

納得のいく売却を実現するためには、提示された査定額の高さだけで不動産会社を選ばず、その根拠と販売戦略をしっかり比較することが何より重要です。

まずはこの記事で全体像を把握し、ご自身の希望や状況を整理することから始めてみましょう。

その情報を持って不動産会社へ相談することが、満足のいく売却への確実な一歩となります。

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この記事を作った人

不動産SEOを手がけるアップライト合同会社の編集チームです。本サイトではAIを活用して下調べや草案作成を行い、その後に人間が内容を確認して記事化しています。公開記事は、編集部による確認に加え、必要に応じて宅地建物取引士である立石秀彦が構成と内容をチェックしています。

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